会報記事


第68回日本プロゴルフ選手権大会を振り返って

日本プロゴルフ選手権競技委員長  田村 宗一
【プロフィール】
昭和31年11月2日生まれ。
昭和54年(社)日本プロゴルフ協会プロテスト合格、入会。
平成2年より(社)日本プロゴルフ協会競技委員。
現在、PGAツアー競技管理委員会・競技委員長。

 平成12年5月11日(木)から始まった「第68回日本プロゴルフ選手権大会」も無事4日間の競技を終え、5月14日(日)、佐藤信人プロの優勝(-4)で幕を閉じた。
 あれから5ヵ月、開催コース[カレドニアン・ゴルフクラブ]も今は通常のコースセッティングで訪れるプレーヤーにゴルフ・ゲームを楽しんでもらっている。しかしながら、日頃から戦略性の高い、リンクス思想のゴルフ場として名を馳せていたカレドニアンを、さらに難攻不落の要塞にしたことで大会当時は相当プロをてこずらせたようである。同大会の競技委員長であった田村宗一氏から当時のコースセッティングについての一文を寄稿していただけたので、その辺の事情について紹介したいと思う。

日本プロ選手権(カレドニアン・ゴルフクラブ)
■ 最終成績(6901ヤード、パー71) ■
「ホール別難易度表」4R トータル
難易度順位 ホール パー 平均ストローク 対パー
1 15 4 4.598 +0.598
2 8 4 4.467 +0.467
3 7 4 4.402 +0.402
4 9 4 4.374 +0.374
5 12 3 3.326 +0.326
6 11 4 4.276 +0.276
7 1 4 4.231 +0.231
8 13 4 4.181 +0.181
9 4 4 4.171 +0.171
10 10 4 4.169 +0.169
11 14 4 4.160 +0.160
12 17 3 3.140 +0.140
13 16 4 4.136 +0.136
14 6 5 5.136 +0.136
15 5 3 3.133 +0.133
16 2 5 5.060 +0.060
17 3 3 3.055 +0.055
18 18 5 4.988 -0.012


 第68回日本プロゴルフ選手権大会の開催に際し、カレドニアン・ゴルフクラブの皆様には多大なご協賛を頂戴しました。心より感謝申し上げます。又、会員の皆様には一週間コースをお借りした上、大会前のプレーにつきましても大変ご不便をお掛けいたしました。ご理解、ご協力に感謝を申し上げます。
 今回のカレドニアン・ゴルフクラブでの日本プロ開催にあたり、私は大変な期待を抱いていました。その期待とは、このコースが持つ非常にレベルの高い設計理念とその理念を充分理解したスタッフの両者がカレドニアンには備わっていたからです。質の高いゲーム(競技)をするには戦略性の高いコースデザインとそのデザインを生かすことの出来るレベルの高いコースメンテナンス技術、そしてそれを理解する管理者が不可欠だと思います。そんな恵まれた環境の下での今年の開催は、コースセッティング、特に設計者の意図を汚さず、その意図をより鮮明にするようなフェアウェイの形状造りに長い時間を費やしました。
 コースマネージメントをティーインググラウンド上から始める。それはその日のグリーン上にあるホールの位置に対して、そのホールを狙うアプローチショットをフェアウェイのどの位置から打ち、そのフェアウェイに球を置くためにはどのようなティーショットが必要なのかをティー上で考える。

大会当日の18番ホールを湖面の手前から見る

 ホールマネージメントをグリーンからティーに向かってする様なコースセッティングを心がけました。
 その上でそのマネージメントに必要なショットを高い難易度にするようなフェアウェイの幅と形を作ったことにより、力(距離)だけに頼っていた昨今のゴルフ競技を技(頭脳)を見せる競技に変えることがで出来ました。設計者J・マイケル・ポーレットの理念である「力と同様に技(頭脳)も」の思想を実行し、その意図に沿った期待通りのゲームができたと思っております。
 2000年という節目の大会を無事終えた今、あらためて、このコースの持つ戦略性の豊富さに感心しております。18ホールのそれぞれが各々テーマを持ち、それぞれが際立った強い個性を持っているにも関わらず、全体のバランスを非常にうまく保っています。戦略上類型のホールがなく、1番から18番への流れが難易度等すべてで整っているからなのでしょう。このような名コースが名選手を育てるというゴルフセオリーを理解出来たような気がしています。
 この素晴らしいコースを作り上げた早川社長と設計者J・マイケル・ポーレット氏に心から厚く御礼申し上げます。

13番ホールのティーからは池越えショット
FW幅25ヤード 飛びすぎると球はラフへ向かう


(2000年10月 TAM ARTE QUAM MARTE 30より抜粋)

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