会報記事


ゴルフクラブの品格と、エチケット・マナー

富里ゴルフ倶楽部 フェローシップ委員会
委員長 恩田 宗


 ゴルフクラブの品格は、施設や従業員の質も関係しますが、主として、そこに集う人たちが礼儀正しいかどうか、また振る舞いに品位があるかどうかで決まるのではないかと思います。富里ゴルフ倶楽部は、メンバーも会社も、クラブの品格を高めようと努力しています。そこで、ゴルフクラブにおけるエチケットとマナーについて考えてみたいと思います。
 エチケットもマナーも同じようなものですが、意味するところに少し違いがあります。エチケットは礼儀作法とでもいうべきもので、規範的な意味合いがあります。一定のルールが明示的にまたは暗黙に合意されていて、問題はそれを守っているかいないかになります。
 マナーの方は態度・物腰とでもいうべき身のこなし方で、問題は品があるかないかとか、感じが良いか悪いかとかです。
 品とか感じとかは、人により尺度が多少違うので、明確に判断できない場合があります。また判断できたとしても、本人にどういうか扱いに工夫が必要となります。
 しかし、エチケットもマナーも根本のところでは共通していて、要は、他者を気遣い、他者に配慮するということにあります。自分の行動が他人の迷惑にならぬよう注意し、他人に不愉快な思いをさせぬようにと心配りをし、誰に対しても敬意をもって接し、できるだけ好感を与えるよう振る舞うということです。エチケットとマナーの基本はそれに尽きます。
 ただ、エチケットとマナーの問題が簡単でないのは、基本はそれとして、具体的な個別の事例になるとどうすべきか迷うことが多いことです。ああすべきだこうするのが望ましいという指針は、場所によって違い時代や世代によっても変わるからです。
 良く問題となる服装についても、国により場所により要請され励行されていることが違い、また、時代によって随分変わってきました。細かい具体論になると、場所や時代を越えた共通規範はありません。
 従って、個々のクラブのエチケットのルールやマナーのあり方は、当然のことですが、自分達の事情とセンスで決めればいいことになります。しかし、品格向上を目指すのであれば、クラブ内のエチケットやマナーは高い水準に維持する必要があります。
 どの辺を目標とすべきでしょうか。「郷に入れば郷に従え」はエチケットとマナーの原則でもあります。私は日本の中で歴史があり品格が高いとされるゴルフクラブの例を参考にしつつ決めていけばよいと思っています。ただ、性急に成果を求めて最初からあまり多くを要求するのは避けたいと思います。時間をかけて積み上げて行くという忍耐が必要だからです。
 メンバーがクラブに来る目的は、ゆったりとゴルフを楽しむためです。ゴルフクラブには、よくカントリークラブという名前がついていますが、タウンにいる時よりリラックスできなければ意味がありません。クラブの品格維持のため気の張る思いをするというのでは本末転倒になります。エチケットもマナーも自発的に、つまり無理せず自然に行われなければ本物とはいえません。
 メンバーがリラックスして楽しく行動していても、それが自ずから礼儀にかない、見ていて感じが良いというようになることを目指したいと考えます。
 ビジターの問題もあります。日本のゴルフクラブの経営方式だとビジターの数が大きくなります。ビジターがクラブの雰囲気にのみ込まれ、メンバーに見習った振る舞いをしてくれれば問題はありません。しかし、ビジターの割合が大きくなれば、そういう訳にはいきません。クラブのエチケットやマナーにもとるような行動をする人達が出てきます。エチケットやマナーについての注意書きを貼ったり、メンバーや従業員がその都度注意を喚起する必要はあります。ただ、度を超すのはあまり品の良いことではありません。他人のマナーに口うるさいのはマナーとして良いものではないからです。ビジターも客人であり、ホストとして余裕と寛容さも品格に欠かせない徳目です。したがって、ビジターの数の増加とクラブの品格維持は相反するところもあり、簡単な解決策はないと覚悟せざるを得ないかもしれません。
 しかし、ゴルフクラブの品格は、結局、メンバーの品格が反映されます。気の長い努力をしていけば目的達成は可能だと信じています。
(TAM ARTE QUAM MARTE 53より抜粋)

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