会報記事


新しい出発 一緒に山に登りましょう
〜平成15年12月17日 従業員説明会〜

代表取締役 早川 治良


会社・クラブの発展に向かって
 今日は富里、カレドニアン両クラブに働く皆さんに集まってもらいました。二つが一緒に集まるのは初めてですね。仕事が終わった後、帰ってからまた集まってもらい本当にご苦労様。なぜ集まってもらったかという説明をこれからしたいと思います。
 バブル崩壊後、ゴルフ場はお客も減りたいへん苦しい状態に置かれ、私自身もいろいろな苦労をさせられていますが、皆さんも給料が減るなどたいへんな思いをしてきています。いつもなら3年程で終わる不況の波が10数年も続いているのです。想像以上に長引いて、その影響はいろいろなところに出ています。
 誰もが財産だと思っていた土地や株、そしてゴルフ会員権の価値は全部失われてしまうほどになりました。それまでお金を貸し付けていた銀行は、そのお金を回収できなくなり、銀行自身がつぶれてしまったし、残った銀行もまだまだ大変な状態が続いています。銀行がつぶれるというようなことはこれまで考えられないことでした。
 ゴルフ場について述べますと、ここ5年間くらいで400以上のコースが倒産しています。外資のハゲタカに買収されたりしていますが、このような状況はまだ1年くらいは続くと思われます。ゴルフ場はあと300コースがつぶれるといわれています。日本にはバブル期に合計2460コースができました。そのうち700コースがつぶれてしまうという厳しい状況です。
 その原因は接待ゴルフがなくなり、その上入場者がすごく減ってしまったということと、それにつれて料金が低下したことです。
 カレドニアンの場合を例にあげますと、オープン間もない時は一人当りの平均売上が三万六千円という時もありました。メンバーは一人一万円ちょっとの支払いですが、メンバーも含めてですからお客様一人が四万円、五万円と払っていたのですね。富里だって平均が三万円くらいでした。それがいまや、今年の平均単価は両コース合わせて一万七千円を切ろうとしています。実に客単価が半分になってしまいました。半値です。その上、入場者も減っていますからこうなると苦しいですね。それでも富里やカレドニアンはまだいいほうなのです。
 最近はこの近在のゴルフ場は一万円でプレーできるコースがいっぱいありますね。食事してキャディさんをつけて一万円というのです。それはつぶれたか、つぶれかかったコースでけっこういっぱいあります。それを見ると富里も、カレドニアンも平均単価一万七千円ということで千葉県ではかなり健闘しています。
 次に預託金問題があります。高いお金を出した預託金の返還問題です。今はその価値がどこも二十分の一くらいに低下してしまいました。それから土地設備への投資です。インフレの最中でコースにもクラブハウスにもお金がかかりました。銀行からも借りて最上級のコース造りをしました。そのお金を返さなければならないが返せないという問題を多くのゴルフ場は抱えています。このような原因で400コースがつぶれ、これからも300コースがつぶれるといわれているのです。
 ただこのようなことを話して皆さんに不安をあおっているのではなく、今日みなさんに集まっていただいたのは、東京グリーンはこれから立派に立ち直れるということをお話したかったからなのです。それには、皆さんの協力がぜひ必要です。


収益をまず修理に当て、従業員に回すために山登りの時
 私は31年前の36歳の時に皆川城CC(栃木県)を造りました。当時12億円くらいでゴルフ場が造れた時代でした。私は関東で一番のコースにしようと夢がありましたから18億円の予算を組みました。田中角栄の列島改造の時代です。それから10年の後です。次にオーク・ヒルズCCを造りました。皆川城で18億円でしたから予算を30億円としましたが、結果としてはそれ以上かかりました。
 ところが富里は、何と220億円くらいかかっています。カレドニアンはもっとかかりました。260億円です。皆川城の10倍以上です。富里にもカレドニアンにも、ずいぶんお金をかけたのです。すごいインフレでしたが、それでも当時は銀行がお金を貸してくれたからこのような世界的なコースが造れたのです。今になると不況とデフレでそのお金を返すのが大変なわけです。ゴルフ場に限りませんが日本中でお金を返せない会社がいっぱいあります。
 しかし東京グリーンは交渉して銀行問題をほぼ解決しました。負債の残りを4年で返していく目安ができたのです。無借金健全企業となります。
 私は根が尽きるくらい一生懸命に交渉しました。そして銀行の理解と支援を得ることができました。
 みなさんも貸しはがしという言葉を聞いたことがあると思いますが、これまでの銀行は少しでも余裕があれば貸しはがしをやってきたわけです。ですから皆さんの給料を上げたくても上げられなかったのです。
 ここ数年リストラと合理化、効率化の徹底で収益が上がるようになり、銀行も認めてくれてその貸しはがしがこれからなくなります。ですから、まず、少しでも収益が上がったら傷んでいるところを修理して、10数年たって古くなったコース課の機械も買い代えなければなりません。ハウス、道路、ボロボロになるまで着てもらったキャディ服など、今まではやりたくてもできなかったんです。いっぺんにはできませんが、これからできるようになります。徐々にやっていきます。
 もっともっと快適なコースづくりをして、会員に喜んでいただくということにします。喜んでいただくとお客さんが増え、単価も上がるでしょう。そういう方向へもっていけると思います。今まではお客さんは減るし、単価はどんどん落ちるなど、山の上から転げ落ちるような数年間でした。
 今度は新しい登りに入ります。登りはエスカレータで行くようには行きませんから、いろいろ努力をしなければなりません。もっともっと汗も流さなければなりません。しかし登る価値が出てきました。登れば頂上へ行けるわけですから喜びがあります。頂上に立ったときの喜びは大きく、それに向かって皆さんと一緒になってもう一度挑戦していきたいと思っています。


前進を前提に、中間法人派遣の役員と共同経営
 会員からの預託金返還請求問題ということがあります。これもゴルフ場が倒産する原因の一つです。
 当社の場合、メンバーと長時間にわたって討議を続けてきました。預託金問題検討委員会をつくり、根気よく、どうやったらそれを解決できるかと協議を続けてきたのです。そのなかで10年間延長という形をとってもらいましたが、その当時は、まだ物価が復活するかな? という思いがあったわけです。延期しておけば10年後には返せるかな? あるいは返す額よりも、会員権が高くなるかな? と思っていたのですが、あれからさらにデフレが進み、元の値段には戻らないことがわかりました。
 これからは景気も回復して、デフレも止まり若干は戻ると思います。株価は7,500円から1万500円くらいに戻ってきました。多分もっと上に向かうでしょう。
 ゴルフ場の会員権価値もいいコースづくりをしていれば上がると思うのですが、バブルの時までは戻りません。カレドニアンの場合3,250万円でしたが、もうそこまでは戻りません。1,000万か1,500万円まででしょう。努力によってはその辺まで行くかなと思いますが元には戻りません。
 というわけで10年延長の後、今度はメンバー主体で特別委員会をつくってもらい、委員会と会社で協議を続けてきました。中間法人法という法律が昨年四月にでき、親睦団体のゴルフクラブも抵当権をつけたり株を持つことができるようになりましたから、会員は中間法人を設立し、中間法人が東京グリーンの大株主になるということをお互いに合意したわけです。
 一人一人の会員が株主というわけではなく、中間法人が株主ですから会員は間接株主会員ということになります。中間法人は抵当権とかいろいろな権利を設定するとともに、大株主ですから会員の代表が中間法人を通して東京グリーンの役員に就任して、東京グリーンの役員と一緒になって経営をやっていくことになりました。
 今度は会員の代表が役員になってくるわけですから、これまでと違い、その声にも十分耳を傾けなければいけないし、理由も聞かなければいけなくなります。その中で両コースをどうやってもっともっと良くしていこうか、と同時に、従業員のみなさんの生活がよくなるにはどうしたらよいかということも会員と一緒になって協議して共同経営にあたります。
 今日一番に言いたかったことはこのことなのです。


プレーヤーに満足を与え、私たちも満足を求める
 もちろん私のリーダーシップは変わりません。ゴルフ場経営は専門家ですし、一番私がノウハウを知っていますからリーダーシップは変わらないのですが、これからは会員の声をよく聞かなければなりません。ここだけこれまでと違います。
 これまでも会員の声は聞いてきました。フロントで、マスター室で、あるいは委員会から会員はどのようなことをいっているのか、不満はないのか、もっとやってもらいたいことはないのか、一生懸命私なりに情報収集して歩いてきています。ずっと聞いてきています。
 しかし、今度は役員が会員の意見を集約して持ってくるわけです。もうちょっと別な角度で、もっとホットな会員の声が共同経営の中で私たちに伝わってきます。それをどうやってその声を聞き届けていくかということをきちんとやっていかなくてはなりません。
 私も会員側に要求します。従業員が喜び勇んで働けるようになるにはどうしたらいいんですか? と。それにも協力をしてください、と。例えば、お客さんが減ってしまってキャディさんの収入が減ってしまっている。今まで私一人が考えてきました。だが、これからは会員も交えてその解決にあたります。聞くことを聞き、言うことも言うという精神です。give and takeでいきます。
 お客が減ったらみんなで協力してコンペをもってきてもらうとか、1,000円でも2,000円でも落としてもらうために会員の方々に協力してもらうとかですね。そのためには、いかに会員あるいは来てくれたお客様に満足感を与えるか、喜んでもらえるかを考え、実行して共同経営にあたっていくわけです。サービス業の大事なところです。それで評判が高まれば、お客様は少しくらい高くても来てくれることになりますから、みなさんの生活レベルアップにつなげていけることになります。こういうことを前向きにやっていこうと思っています。
 私は中間法人ができて、役員が来てくれることを喜んでいます。一緒にいろいろなことを考えてくれるし、責任も分担してくれることになるわけですから。よりよい東京グリーンをつくり、よりよい富里とカレドニアンにしていく形で活用していけます。
 私はこれから皆さんの生活がよくなるよう一生懸命やっていきます。それには皆さんの協力が必要です。会員からキャディさんも、フロントも、コース課もこれまでよりよくなったねぇと言われるようにならなければなりません。要求だけしても、だめじゃないか、サービスが落ちたじゃないか、最近のキャディはなんだといわれては、私は何もいえなくなります。その意味で皆さんと一緒に山登りをしていきます。皆さんにも一生懸命頑張っていただきたいと思います。


ピカピカにして、おしゃれして、すがすがしさを発揮しよう
 私は夢を持って富里、カレドニアンのコースを造りました。その夢は世界のどこに出しても恥ずかしくないコース、世界一流のコース造りです。そこでゴルファーの人たちに心豊かに、心ゆくまで楽しんでもらおうと思って造りました。その夢はTAM ARTE QUAM MARTE(力と同様に技<頭脳>も)に込められています。ただ飛ばすだけでなく、技術や頭を使ってプレーをしましょう、と。そうすればコースの面白さやゴルフの楽しさがいっそう深まることを知ってもらえるからです。
 練習場の延長のようなコース、二〜三回行ったら飽きがくるようなコースが多い中で、多分、富里もカレドニアンも、飽きたという人はほとんどいませんね。TAM ARTE QUAM MARTEの意味を知らない人が下手なゴルフをして、頭を使わず大叩きして、何だなんていう人がいるかもしれないが、そういう人たちにも悔しいといって、また挑戦してくるというコースにしていきたいのです。
 ぜひ、磨きをかけていきたいと思っています。一人一人にコースもハウスもピカピカにしてもらいたいのです。
 個人もそうです。おしゃれをしてほしいのです。私は1月で六十八歳になりますが、おしゃれを心がけています。おしゃれをする気持ちを持つことは若さを保つ秘訣であるし、やる気を引き出すからです。自分がおしゃれするという気持ちを心がけてください。おしゃれの仕方にもいろいろあると思いますが、自分の個性にあったおしゃれで十分だと思います。ぜひおしゃれをしてください。
 自分がおしゃれでなかったらコースもハウスもピカピカになりません。あのコースに行くと気持ちいいなー、すがすがしいなー、プレーも面白いなー、キャディさんもハウスの人も素敵だなー。このように思われるコースにしていきたいと思っているのです。これだけのコースですからこれから海外からのお客様がたくさん来ると思います。よいお客さんがどんどん来るようになります。
 ですからピカピカのコースづくりをしてください。


レベルを維持し、収益をあげ、よい運営をするために協力してください
 最後に、まだ企画中のことですがお話しておきたいと思います。それはどうやってお客さんを増やすかということです。
 現在は朝早くから皆さんに出社していただいて、7時からお客様にスタートしてもらっていますが、コースは午後の早い、明るいうちから誰もプレーしていません。本当は夕方、快適なゴルフができるのにガラガラです。しかしゴルフ場はきめられた器の中でしか量をこなすことができません。ですから、きめられた器を目いっぱい、いかに使いこなすかがポイントになります。そこで私はお客様に明るいうちは目いっぱい使ってもらおうと計画を練っています。
 ひとつの方法としては、18ホール・スループレーです。最近お客様も18ホール続けて回りたいという要望が増えてきています。世界中のゴルフは18ホール・スループレーが当たり前なのです。途中でお昼を食べるというのは日本だけなのです。1時間休みをとって、また午後回るというのは異常なのです。これは正式にはルール違反です。皆さんもトーナメントでは途中でハウスに入らないことはご存知でしょう。正式には失格になるのです。とくに関東地区はお昼の時間をとるということが定着してしまっていますが、これを世界の流れに戻そうと計画しています。
 午前中にワンラウンド回ってもらい、午後はまたお客様に来ていただいてワンラウンド回ってもらうのです。数年前にスループレーをやりかけましたが、そのときはそのニーズがまだありませんでした。失敗だったと思いますが、それは新しいやり方でしたからお客様自身が、午後も回れるということを知らなかったからなんですね。それと午後プレーは3,000円ほど割安にしたのですが、それでは効果がなかったのです。
 今度は、午前に回る人が2万円だったら、午後回る人は13,000円というふうに、7,000円くらい大幅な差にしたいと思っています。そうなると富里やカレドニアンが1万2、3千円で回れるのかという評判が取れると思います。
 ゴルフは一日仕事になっていますね。朝早くでて、暗くなって家に帰るという東京地区のゴルフです。半日でゴルフができるとなれば、午前中仕事をして午後ゴルフができる。あるいはその逆ができるようになります。しかも午後は安くプレーができるとなればゴルファーが増えると思います。それを計画的にきちんとPRして営業していこうと思っています。
 両コースとも年間入場者は四万人くらいです。合計で八万人ほどですが、これをそれぞれ五万人くらいにして、合計十万人という入場者にする予定です。そうすると収益が上がりますから皆さんに還元できます。こういうプレースタイルをこれからつくっていこうとしています。当然、長時間勤務になりますから、交代制を敷くなどをしなければなりませんが、若干従業員も増えると思います。それ以上に皆さんの働く機会が増え、収入が増えることになると思います。この企画を正式にスタートさせるときにはもう一度詳しく説明しますが、ぜひ、このような前向きな計画に協力していただきたいと思います。
 これはひとつの例ですが、今後、会員の満足度を高めながらどうやって収益を高め、よい運営をしていくかを考えているからなのです。これまでは無理に夕方まで営業しなくていいという考え方でしたが、競争は激しくなっています。700のコースがつぶれるとお話しましたが、そのゴルフ場がなくなるというわけではありません。倒産してもゴルフ場は残ります。ただ、質が低下します。料金も低下させて残るわけです。安くプレーができるいい時代がくると思いますが、東京グリーンの両コースは高級コースですから、安いほうに足を引っ張られたのでは困るわけです。あるレベルを維持しながらきちんと収益をあげていかなければなりません。この両方を追求していこうというのが計画の骨子です。
 ぜひ皆さんいっしょに山登りをしてください。山の頂上に立つのは気持ちがいいものです。途中でバテないように頑張っていこうではありませんか。おしゃれして一緒になってやっていきましょう。


新任役員紹介

取締役  石丸 侃
(カレドニアン・支配人)

取締役  石井 浩貴
(カレドニアン・コース管理部長)

取締役  北野 慎一
(富里・コース管理部長)

取締役  山崎 芳嗣
(有限責任中間法人富里クラブ)

取締役  佐藤 眞彰
(有限責任中間法人カレドニアンクラブ)

監査役  伊藤 稔
(有限責任中間法人富里クラブ)

監査役  平野 正
(有限責任中間法人カレドニアンクラブ)

『TAM ARTE QUAM MARTE』第39号より抜粋